ホームページ・タイトル

台風対策

船の所有者にとって台風の被害は大きな問題です。護岸や隣接船への衝突による損傷、ひどいときは浸水や沈没、護岸への乗り上げなど、少しの対策を怠ったが為に、修理費も多額になります。大切な船を守るためにも、必ず台風対策を行ってください。

増しもやい(係船ロープを増やす)
通常の係船ロープに、更にロープを増やしましょう。通常より太めのロープを選んで下さい。 ②の増しもやいの位置は重要です。低すぎると潮位が上がったために引っ張られて沈没することもあります。必ず最大満潮時+2mの位置にするようにしましょう。


事故例 
荒天時によく起きる係船ロープがもとの事故例
事故例   対処法
古いロープや、細いロープを使っていたためにロープが切断してしまった 新しい太いロープに
係船リングにつないでいたら係船リングが切れてしまった ポールに直接
予想以上に潮位が上がって、係船リングがポールの上から抜けてしまった ポールに直接
ポールに直接低い位置で係船し、潮位が上がった時に沈没してしまった ロープの位置は最大満潮時+2m以上
2018年9月 台風21号の実際の様子≪西宮ボートパーク≫
桟橋は完全に水没し波に持ち上げられ、水色の係船ポールもほとんど見えなくなっています。
近隣で船が流されたようですが、西宮ボートパークでは利用者各々の台風対策が功を奏したのか全艇が無事でした。

係船ロープの選び方
船の大きさに対してのロープの太さの参考例が掲載されていることがありますが、波の影響を受けやすいボートパークでの係留に使用するロープは、マリーナ等に比べ数倍の強度が必要です。
①おすすめの撚り
強度に優れ比較的安価なため一般的によく使われています。
強度は3打ちとあまり変わりませんが、ショックを吸収しキンク(よじれ)しにくいのが特徴です。
②太さは16mm以上
16mm以上の太さを推奨。強風波浪注意報が出た際には更に太めのものをお勧めします。

③主要素材

係船ロープのほとんどが合成繊維です。 中でもビニロン、クレモナS、ポリエステルは耐候性、耐水性、耐熱性に優れておりおすすめです。

④使えないロープ

通称トラロープと呼ばれるこちらのロープは「標識ロープ」(境界線や立入禁止の目印などに使用)です。非常に弱く係船には使用できません。


係船ロープの対策
①ロープの強度をアップする
通常の使用している係船ロープを折り返すことで2本分の強度を得ることができます。
②ロープがクリートに団子状になるのを防ぐ
・強風時の係船方法では、2本のロープをクリート結びすることで、クリートにロープが積み重なって団子状となってしまいます。
・防止策:係船クリートの最初をクリート結びせず、ボーラインノット(▼図解)して作った輪をクリートにはめる。
③ロープの固着(ほどけにくくなる)を防ぐ
船の大きさや風の強さ次第では、係船金具に舫ったロープが固く締まって容易に解けなくなる。 特に円筒形金具へのクラブヒッチの舫いは固着し易いので注意して下さい。
  • 防止策: 金具へのロープの初期舫いを「ローリングヒッチ」(漁師結び)で行う。ロープが張っていても容易にロープを外せ、円筒形係船金具への理想的な舫い方です。
・防止策:「ボーラインノット」を行う。ロープエンドをボーラインノットし、その輪を金具に掛ける。
※メリット※金具のスペースを奪わず、係船金具にロープの輪を掛けるだけの容易な作業でできる
※デメリット※強い力で引張ると、結び目が固くなり、ロープが引っ張られた状態ではロープを外すのが困難となる上、桟橋金具上部のストッパーが少ないと、潮が高く波がある場合に抜ける可能性があります。


ロープ擦れによる切断防止
擦れる部分の強化
岸壁角に擦れて切断してしまうのを避けるため、擦れる部分を強化しましょう。

フェンダー処理

フェンダーの設置

桟橋と船の間に適度なサイズと数のフェンダーを設置しましょう。 桟橋側にタイヤや硬質ゴムが設置されていても、艇を接触させると、キズが付き易く艇の揺れ次第ではクラックを発生する可能性があります。プレジャー艇は漁船よりも舷側の強度が低いため、ピンポイントで圧縮される固体式フェンダーは避け、圧力に応じて接触面積が増え、空気の圧縮に応じて形状やクッション度合いが変化するエアーフェンダーが適しています。


搭載品の飛散防止

風で飛ばされそうな艤装品、搭載品の処置

  • スパンカーやソフトオーニングはロープで固縛するか、船から外して降ろしておく。また、重量が重い搭載物は船から降ろして軽荷状態にしておきましょう。

 

▲ページトップに戻る